【食育クイズーVol.１００】
目あたらしいものが大好きな江戸っ子は、旬
やグルメの流行にとても敏感でした。
さて、今回はその「粋」な江戸っ子が特に愛
した食べ物のクイズです。
『鎌倉の 海よりいでし （ ） みな
武蔵野の はらにこそ入れ』
蜀山人のこの狂歌は「原」と「腹」をかけた
もので、ある食べ物を江戸の人がこぞって食
べたという「◯◯狂騒曲」騒ぎのことをちょ
っと皮肉って詠んだものです。
（ ）に入る食べ物とは、何でしょう？
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１．江戸前「握り寿司」
２．初鰹
３．帆立の刺し身
４．鰻の蒲焼き
↓↓↓↓↓↓答えはここから↓↓↓↓↓↓
【解説】初物好きの江戸っ子にとっても、特
に「初鰹」は特別なものでした。当時は鎌倉
沖が漁場とされ、江戸に着く前に海上で取り
引きされることもあったようです。
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江戸っ子の「初鰹狂騒曲」の様子はいろいろ
な人物によって描かれています。
俳人の松尾芭蕉は、「鎌倉を 生きて出(い
で)けむ 初鰹」と詠んでいます。
この芭蕉の句は、当時は冷凍技術が無いので、
鎌倉で採れた「鰹」を生きたまま「早飛脚」
で江戸に運ばれ、それを江戸っ子は「初鰹」
としてもてはやした様子を詠んだものです。
江戸時代になると「鰹」は、焙煎技術の発明
により「鰹節」にされるようになり、保存性
が確立されたので、「鰹節」は全国的に広が
りました。
それ以外の保存技術はありませんでしたが、
「粋」な江戸っ子たちは、現在のように「刺
身」として生食するようになりました。鎌倉
から江戸まで「早飛脚」を利用してでも運ん
で、新鮮なうちに刺し身で食べることが「粋」
とされたのです。
また、鎌倉を旅していた貝原益軒は、「江島
を出て腰越を通る。鎌倉の海、今は鰹といふ
魚をとるとて 海に浮かべたるおほくの漁舟
有。生なる鰹おびただしく持ちはこぶ」と、
その初鰹狂騒曲の活況のさまを書いています。
更に、山口素堂の有名な句に、「目には青葉
山ほととぎす はつ鰹」があります。
鰹は、日本列島の山野が新緑で彩られるころ、
黒潮に乗って沖縄、九州、紀州、小笠原諸島、
伊豆、房総、東北は金華山沖辺りまで北上し、
秋になるとフィリピン、遠くは赤道方面まで
南下して生まれ故郷に戻ってゆくという、
「季節的回遊魚」です。
日本では古代から「鰹」は貴重な栄養源とさ
れてきましたが、痛みやすく、冷凍などの保
存技術がなかった時代は干したものを食べて
いたので「堅魚(かたうお)」とよばれていま
した。それが「かつお」に変わり、漢字も
「堅＋魚」から一字の「鰹」になったといわ
れています。「鰹」は蛋白質、ビタミン類、
鉄分が豊富な上、うまみ成分であるグルタミ
ン酸が多いので、「かつおだし」は今でも日
本人の食卓に欠かせない調味料となっています。
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２．初鰹
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